『愛と青春の宝塚』12/21(日)16:00阪急交通社貸切

観てきました。
リュータン@リカさん(紫吹淳)は、これは素?と思うぐらい自然に伸び伸びと「才能と誇りに満ちたトップスター」を演じていらっしゃいました。何年たっても男役がキマるリカさん、素敵です♪それなのに、急に女の子になっちゃうところとか、メチャクチャかわいい。すごく魅力的なキャラクターでした。
トモ@みどりちゃん(大鳥れい)は、在団中から、歌も芝居もとっても上手な実力派、地に足のついた手堅い芝居をする人っていう印象が、私にはあるのですが、この舞台でも本領発揮といった印象。満州の寒空の下で若い特攻隊員?を抱きしめて歌う場面、病床で舞台の幻を見る場面、涙を誘われました。
タッチ@かしちゃん(貴城けい)は、なんだろうな....すごくまっすぐな感じがよかった。周囲と常に違和感がある感覚とか、つねに神経のどこかが緊張してる感じとか。居心地の悪さとか。なんかそんな感じが伝わってきた。だから、海軍士官さんと船上でダンスするシーンとか、ほんとうに幸せな気持ちがして、その後の展開がとっても悲しかった。リュータンのライバルっていうか、二番手で張り合うようなことが、役柄の説明に書かれていたけど、そういうシーンがなくて、いつまでもトップさんと下級生って関係だったのが、残念だな.....時代を描いていくと致し方ないのかもしれないけど、もっと。リュータンを食うような場面があったらよかったな....
ベニ@るいちゃん(紫城るい)はかわいかったですね......ひたすら夢を見続けているような女の子。いろいろかきまわすけど、なんとなくほっとする役どころ。タッチとの仲良しぶりも、女の子のお友達同士っぽくてよかったな....
戦争という現実の前で、4人それぞれに悩みや葛藤を抱えて生きている.....一人ひとりの人生に、それぞれに、胸をうたれました。いいお芝居でした。
4人のほかにも、若いOGさんが多数、アンサンブルっていうかタカラジェンヌ役で出ていて。ついこないだまで宝塚の舞台に立っていたコもいれば、懐かしい顔もある。大勢出てくると、一人ひとりをオペラグラスで確かめて、懐かしく思う。みんなイキイキと歌い、踊り、演じていて。そんな姿を見ているのも楽しかった。

コマ劇場は、舞台に向かってなだらかにすり鉢状....というか、扇を傾けたような感じで傾斜した客席が並んでいて。そこに、舞台の上のほうからライトが当てられると、ほんとうにキレイなのですね。普通のスポットと逆向きに、客席に向かってライトが当たるって、コマ劇場独特の演出じゃないかしら??? この美しい客席の風景がもう二度と見られないと思うと、とても残念に思います。

舞台の最後に、短いショーがありました。コマ劇場の最後だから。特別に、ということでした。
コマ劇場の名前の由来にもなった、3重の円形のセリも。全部のセリが上がると、昔の芸能人のウェディングケーキみたいで。それがライトに照らされてくるくる回る様は、ほんとうにキレイ。いちばん外側のセリが上がるのを見たのは、私は初めてじゃないかな.......確かに古い劇場なのだけれど、なんとかならなかったのかな.......丸くて赤くて、ドレープを描いて上がる緞帳も。天井の、舞台に沿って丸く何十にも点灯するライトも。何もかも。ほんとうに残念です.....