等身大の「おじいちゃん」森繁久弥さん大往生

昨夜は、森繁久弥さん死去というニュース速報に驚きました。

森繁久弥さん大往生…天国で仲間たちと再会へ[スポニチAnnex]
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2009/11/11/01.html

自分はあんまり作品を見てないし。『屋根の上のヴァイオリン弾き』も、いつかそのうち.....って思ってるうちに、森繁さんが舞台を去ってしまった。残念なことをしたよね。
けど。なんていうのかな。人の心の美しいところも、醜いところも、すべて体現していた役者さんだったんじゃないかなってイメージがあります。
俳優の小林桂樹さんは

「それまでの日本にはなかった、しゃれた演技をする人で、人間の弱い部分や本音を素直に表現するやり方が斬新でした。」

と、語っていらっしゃる。

「人間の本音、素直に表現」=森繁久弥さん死去で小林桂樹さん[時事ドットコム]
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009111001155

斬新かどうかはよくわからないけど「人間の弱い部分や本音を素直に表現」というのは、ほんとうにそのとおりだったと思う。

多くの日本人にとって、理想の年寄り、理想のおじいちゃんのイメージは「枯れた」姿なのだと思う。理想の夫婦の究極が「縁側でお茶をすすりながらひなたぼっこ」というのと同じように。
森繁さんは、どこまでが演技でどこまでが素なのかわからないけれど、いくつになっても「人間くささ」を感じさせるおじいちゃんだったと思う。

そういう意味で「等身大のおじいちゃん」だったんじゃないかな......って思う。「老衰」っていうお亡くなり方も素敵だな。

心からご冥福をお祈り申し上げます。